【マンガ】一級建築士矩子の設計思考 1巻 感想・評価

まーぶるです。

今回は「一級建築士矩子の設計思考」1巻の感想・評価です。

若干ネタバレ要素も含んでおりますが、ご了承ください。

一級建築士矩子の設計思考　作品情報

原作

著者「鬼の仁」によるマンガ。

一級建築士矩子の設計思考　1巻　あらすじ

※本あらすじはまーぶるが作品を読んでまとめた内容です。
　間違いや表現がおかしい場合でも厳しいツッコミは入れずに大目に見てね！(。-∀-)

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勤めた事務所から独立し、東京亀戸に建築設計事務所を構えた古川矩子。
事務所はふらりと立ち寄れるよう立呑みを併設している変わったもの。

しかし開設したばかりの事務所は取引先もなく暇を持て余していると、お隣店舗であるスナックの純子がお店が暖まるまでとやって来る。

そんな純子の弟が家を建てるということで祝い酒を振舞う矩子だが、設計図面を見た矩子はすぐに計画を止めるよう連絡するように伝える。

意味が分からない純子だが、矩子に図面の説明を受け耐久性に問題がある設計であったことが分かる。
阪神淡路大震災を経験した幼少期の頃の記憶があり、弟家族を救ってくれてありがとうと感謝し酒代を渡す純子。

弟にすぐ連絡し、どんな地震にも壊れないような家を矩子に設計してもらおうと決める純子だが、初収入（酒代：１０００円）に感動した矩子は泣きながら喜んでおり、すぐに頼めそうになかったのであった。

一級建築士矩子の設計思考　おすすめポイント！

設計のアレコレが分かる！！

本作の作者は、実際に一級建築士資格を持っているそうです。
そのため作中に出てくる建設の内容も詳しく書かれており、建築のことを知らなくても十分楽しめます。

また漫画としても読みやすいよう描かれているため、建築に関する問題点などを交えつつも理解がしやすく読んでいて納得感があります。

本作を読んでいてまーぶるが一番良かったと思った点は、絵を多用して説明がされているところです。
例えば、第３話なんてその典型。
登場する建築にことに詳しくないゲストに説明する話ですが、もちろん読者に向けての説明もあって、その説明の絵が分かりやすいです。

それから単行本には各話の終わり「設計ノート」というページがあり、その話の中で出た事柄の補足や作者の苦労についてなどが記載しており、本編がどのように作られたのか、その思いがどうだったのかが確認でき、こちらも読み飛ばさず見ることをお勧めします。

設計事務所の仕事！！

設計士の仕事って漠然と設計をするだけの仕事というイメージでした。

しかし、実際にはそれ以外にもあるのですね。

例えば第２話で出てきた「実測」というお仕事。
その名の通り建物などを「測る」って図面化するお仕事ですが、ただ見えているいる部分の寸法を測るだけでなく、見えない部分の材質や見える部分の設備から推測して内部の構造を図面化するなどレベルの高い仕事ということがよくわかります。

あとは中高層手続きに関する事柄。
ある程度の高さの建物ができる際には、周囲の居住者に説明をしなくてはならないのは何となく知っていましたが、具体的にどの高さの場合どこの範囲まで、というのは知りませんでした。

建築士には図面を引く以外にもやることってたくさんあるんですね。

矩子の仕事が心配？？

ストーリー的な話になりますが、矩子は仕事順調なのか心配ですね。

施古と再会した時「一人で食べてくぶんには何とか・・・」と説明しているので、描かれていないだけで何かしらやっているのでしょうが。。。

１巻が終わった時点で明確に描かれていた仕事は、設計事務所を紹介してくれた不動産会社からの「実測」と、純子の弟からの図面設計依頼だけな気がします。
それ以外は・・・いや、意外と過去話や仕事と関係ない話が多いから現在の話が描き切れていないだけなんでしょうかね？

それにしても矩子は結構面倒見がよさげというか、建築に事は何も知らない女子高生と小学生（？）姉妹に建築のことを教えてあげたり、中高層のゴタゴタにお店を貸したり（立呑みとしてのお客だったのかな？）、マンション管理の住民の代理で出席したり（これは正式依頼だったのかな？）、、、建築士としての仕事はあまりやっていないような・・・

作者さん、もっと矩子が活躍できる話を描いてあげてください！

個人的評価／感想

・有資格者による漫画！

・矩子の建築士としての仕事は何なのだろう？

・全体としてのストーリーがよくわからない・・・

感想

一級建築士の資格を持っている作者の作品ということで、その肩書に嘘偽りなく建築士の仕事を細かく描いている作品だと思います。

しかし、ストーリーとしては１話完結、かつ建築士としての仕事ではない話が多くごちゃごちゃしている印象が強いです。
建築士としての仕事にフォーカスをあてる話がもっとあってもいいのではと感じます。

途中で目指せ建築家！との言葉も出てきましたが、矩子がこの後どうなっていくのか方向性（ストーリー）があまり見えないとも感じました。

まだ１巻なのですべての設定が出てきているとは思いませんが、２巻以降で矩子の進むべき方向性や、漫画としての方向性が明確になると化ける作品かなと思います。

２巻も楽しみだ！